2008年12月8日月曜日

1冊目(by R) 神との対話











神との対話―宇宙をみつける自分をみつける ニール・ドナルド ウォルシュ



友人の薦めで読んだ。

この本を読んで、今まで疑問に思っていたことが一気に解消された。

これは、ある日突然、著者が神と筆談により対話できるようになったときの

対話をそのまままとめたものである。

様々な宗教に精通していた著者が、納得できない宗教の教えを

対話を通して神に直接問うという内容になっている。

著者が神にした質問というのは、一般の人が常日頃から疑問に思っていることであり、



例えば

・神はなぜ我々を創造したのか

・神は万能であるにもかかわらず、なぜ我々の前に現れないのか

・神はなぜ不幸な人を助けないのか

・なぜ争いは起きる

・我々の生きる目的は何なのか

といった我々人類にとって普遍的な疑問に適切に答えている。



僕は最近、少し宗教に興味を持ち、新約聖書も読んだが、

キリスト教は我々日本人には理解し難い教えがいくつかある。

しかし、現代においても、なお世界人口の3分の1の人々が

キリスト教徒であるが、ここまで人々がキリスト教を信じる理由とは

一体何なのであろうか。



キリスト教では信じる者しか救われない。

神の戒律を破れば、永遠に追放され、永久に罰せられる。

神を信じない者は地獄(ゲヘナ)で永遠に業火により焼かれるのである。

その恐怖心から、人々はキリスト教を信じるのである。



しかし、ここで一つの疑問が生じる。

なぜ万能である神は、人々を地獄へやるのか。

そもそも、なぜ神は人々に信じない自由を与えたのか。

これには、サタンなど様々な説があるが、どれもうまく

答えられていないように思う。

これに対して、神はこの対話でこう答えている。

「神は全ての人を愛し、全ての人を受け入れる。

神が創造した我々の存在は誰もが尊いもので、罪人はいない。」

何千年もの間、神は人類にこの事実を教えてきた。

しかし、人類はこの事実を決して受け入れようとはしなかった。

受け入れることができないのだ。

なぜなら、人は無条件の愛というものを信じられないからだ。

人々は愛を条件付きだと考えている。

愛が条件付きだと教えたのは親である。

親は我々を一番愛する存在であるはずだ。

しかし、思い出してみてほしい。

親は、こうしてはいけない、こうしなくてはいけないと叱り付けることがある。

我々が無条件に信じた親でさえ、我々を条件付きで愛するのだと

人は経験から知っているのある。


だから、人は無条件の愛を信じられない。

我々は「親」の役割を神に投影し、善いか悪いか判断して、

褒美を与えたり罰したりする神を想像する。

恐れる必要のない神、善悪を決めつけたり、罰を与えたりしない神は

あまりに素晴らしすぎて、我々は受け入れることができないのだ。

この誤解が、万能であるにも関わらず、全ての人を救済しないという

神をイメージさせてきたのだ。

 

この本の内容は実に素晴らしい。

神を信じる信じないは自由であるが、一度読んでみる価値はある。

この本を読む前に、聖書も読んでおけば、宗教とはどういうもので、

神がどういった存在なのか理解するのに大いに役立つ。

>ヒサシ

誕生日おめでとう!!



2008年11月29日土曜日

43~48冊目 ロングライフデザインとしての住宅



ナガオカケンメイ氏がTBS情熱大陸に出演されているのを見て、「ロングライフデザイン」という言葉をはじめて知り深く共感したが、現在に息づいていることが、伝統を次の世代につなぐ一つの基準であるというようなことを同じく、情熱大陸に出演されていたアレックス・カー氏が言われていたことにも通じるものがあると思いだした。

それにしてもなぜ欧米は築年数が経つにつれて建物価値が上がるのに、日本は下がるのだろうか。そんなことを分析した本があればぜひ読んでみたい。誰か知っていたら教えてください。

  

SI工法について。
 

2008年11月28日金曜日

37~ 42冊目 日本論の名著

以前、テレビで紹介されていた日本論の著書をブログに書き写しました。
以下、全て引用・抜粋です。



1冊目は「逝きし世の面影」(葦書房・渡辺京二著)。これは江戸時代末期から明治初期に日本を訪れた外国人が記した庶民の実像を、丁寧にひろい上げまとめたものです。出版当初は各界の著名人が思わず涙を流したとの逸話もあり話題となりました。異邦人の目を通して知る文明開化以前「絵のように素朴で美しい日本」と出会える1冊です。 この本には2点の重要な意味があります。第一は、当時の日本が世界に現存する唯一の天国と思われていたこと。第二は、驚くべきことですが、当時の外国から来た知識人が日本の将来を見通していたことです。 日本は欧米から導入した技術、文化、制度などにより近代化に成功し、米国に次ぐ経済大国になりました。しかし、失ったものも多大で、それを確認することも大事であることを教えてくれる名著です。ただ、残念なことにこの本は在庫がなくなってしまい、現在は手に入りません。図書館で借りてでも読んで欲しいお勧めの本です。



次にご紹介するのは「大日本 The Britain of East」(実業之日本社・ヘンリーダイアー著)。今から100年ほど前に出版されえた本です。ダイアーは24歳の若さで来日、東京大学工学部の前身、工部大学校の初代都検(校長)に就任、10年間に渡り日本の近代化に多大な功績を残したスコットランド人です。 帰国後、20年の歳月をかけて「東洋の小国が、開国後わずか30年で近代科学技術の習得と社会近代化を達成した原動力は何か」という主題を通し、日本の歴史と社会を紹介したものです。ダイアーがいなければ、現在の「技術大国日本」は生まれなかったとも言われています。副題(東洋の英国)からも分かるように、日本を高く評価していて、日本が欧米の科学、工業、商業を導入しようと決意したとき、日本人を行動に駆り立てた動機として新渡戸稲造氏の「武士道」の文章を引用し解説しています。 原著が出版された1904年は日露戦争の宣戦布告がなされた年でした。この時こそ、日本が近代国家を完成させ方向転換した時です。この本は「失われた15年」に直面している今の日本人が、どこに原因があるかを知るための大量の示唆が含まれています。ダイアーは武士道精神を失ってしまったということが原因という事を訴えたかったのかもしれませんね。

 

1970年代中頃から、日本は急速な発展を遂げました。この現象の解明や原因の究明について、1980年頃から多数の本が出版されました。その中の1冊「日本/権力構造の謎」(早川書房・カレル・ヴァン・ウォルフレン著)をご紹介します。 ウォルフレンはオランダ生まれ。ジャーナリストとして日本に来日、この本を89年に出版し、国際的ベストセラーになりました。この本では、日本の急激な成長が「ジャパン・プロブレム」といわれる世界全体の問題になっており、その問題の本質と成長の原因を探ることから始めています。その問題の原因は西欧社会と日本の意思疎通が悪く、誤解を生んでいる点で、日本特有の「ザ・システム」というべき構造に本当の権力が存在していると指摘しています。 また、日本人がわかっていても書かない分析が豊富であるため、日本からは様々な反論が出されました。日本は「ジャパン・バッシング」「ジャパン・パッシング」「ジャパン・ナッシング」といわれ、その過程で省庁再編、地方分権などを実施してきましたが、その成果は明瞭ではありません。もう一度、ここに書かれた分析を見直して、改革を検討すべきです。



昨日までは西洋の視点で書いた日本の名著でした。視点が変わると全く違う発想の一文も出てくる、ということで日本とも歴史的にも古くから交流を持つ国の方が書いたこの1冊「縮み志向の日本人」(学生社・李御寧著)をご紹介します。 ソウル大学大学院碩士であり韓国の初代文化相も経験した著者は、日本に住んでいたこともあり、日本の良い面、悪い面も理解し、日本人が常に小さいものを求め、小さいものへ向かう傾向を「縮み」志向と説明しています。言語、風俗、文化などが酷似した韓国の眼を通して発見された日本文化の本質をわかりやすく書いた1冊です。 「日本人がはじめて開発し、世界に送り出した商品は扇子であった」などという意外な事実や卓抜な視点で日本文化の本質や日本が工業化社会のトップに躍り出ることができた秘密を明快に分析してあります。また、「拡がり」に弱い日本的特性も指摘、小ささの中に無限の広がりを追求する日本文化を紹介し、エールを送っている元気の出る1冊です。



最後にご紹介するのは「陰翳礼讃」(中公文庫・谷崎潤一郎著)。明治19年(1886年)東京生まれ、昭和40年に生涯を閉じるまで約半世紀に渡り激動の社会清努に流されることなく独自の世界を描き続けました筆者のこの本は建築家などに多大な影響を与えた1冊です。 闇があるからこそ光が美しい。日本独特の文化、家屋構造などが日本人の「美」の意識を形成する、という説をいろいろなものを例に挙げて述べています。谷崎潤一郎氏はもともと西洋に強く影響を受けた人であり、日本文化よりも西洋文化に影響を受けた人として知られていますが、晩年は日本文化に回顧しその深みと美しさに魅せられたのですね。今年は谷崎潤一郎氏の没後40周年ということです。数々の名作を残した谷崎氏の本を手に取ってみる良い機会なのではないでしょうか? 昨今は国の魅力を「Cool」かっこよさで図るという新しい動きも見られます。今週ご紹介した本をきっかけに普段は自国文化を当たり前のものとしてそれほど振り返らない私たちも日本の文化をもう一度省みて、その美しさに気付いて欲しいと思います。

34~36冊目 日本人であることを問い直す

  

2008年11月23日日曜日

31~33冊目 建築家 手塚貴晴、手塚由比

  

手塚建築研究所。このHPで作品として紹介されていた住宅に、私は正直、ヤラレタ、美しすぎる。思考停止してしまった。建築に興味があるのは、その造形美や意匠の巧さだけではなく、幸福の源泉が家庭であるならば、その家庭を支えるのが住宅であるからだ。

31冊目 建築家 Alvar Aalto



京都、河原町のジュンク堂で本を購入するときは、決まって最後に洋書コーナーへ行き、デザインや建築、アートを手にとって触れてみる。インスピレーションが刺激されること間違いなく、また、なぜだかそれぞれが個性的なのに嫌味がなく癒しを感じることを常々不思議に思ってきた。それがデザインやアートの力なのだと思う。そこでこないだ、衝撃を受けた一冊。略歴、Alvar Aalto

28~30冊目 建築家 隈研吾

  

TVや雑誌メディアに取り上げられていたので、興味を持った建築家の一人。負ける建築なんていうタイトルだけでも洒落ているじゃないか。でも、自然と調和を感動的に見たのは建築・庭園、鹿児島県の知覧にある、武家屋敷群。その中のひとつの家、森重堅氏邸庭園が素晴らしかった。朝早く訪れたが、空間に感動してそのまま昼前まで佇んでいた思い出がある。私にとっては、すべてが完璧だった。風鈴の音、木目の滑らかさ、風の爽やかさ、静けさ、ひっそりと山奥にこんな美しい家々があるとは、驚きだ。そして毎朝、人の手で隅々まで掃き清められている、その習慣もまた、美しい。

友人に紹介してもらった、ここはよかった!という庭園を書いておきます。
島根県にある、足立美術館。うん、はやく行きたい。

以下、足立美術館HPより抜粋

足立美術館の日本庭園が6年連続日本一に!

このたび、米国の庭園専門誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」(JOJG)が「2008年日本庭園ランキング」を発表し、足立美術館の庭園を6年連続で「庭園日本一」に選びました。
JOJGは、米国在住のダグラス・ロス氏が日本庭園を世界中に紹介するために1998年に創刊した英語の隔月刊誌で、大学や図書館などの教育関係者、造園関係者ら、英語圏を中心とする世界37ヵ国の人々に親しまれているものです。このランキングは、日・米・豪の専門家たちが2003年から2008年にかけて合計803ヵ所の 庭園を調査し、庭そのものの質、建物との調和、利用者への対応などを総合的に判断し順位がつけられました。そのうち当館の庭園は「日本の(いやおそらくは世界の)トップに連続で選ばれている」とし、「成功の要因は、美術館のスタッフ一人ひとりが毎日参加する、徹底した庭の手入れと維持管理によるところが大きい」と評価しています。
世界が認めた庭園を、ぜひ皆様自身の眼でお確かめになってください。

《ランキング上位5位》
1位 足立美術館(島根県)
2位 桂離宮(京都府)
3位 養浩館(福井県)
4位 山本亭(東京都)
5位 無鄰菴(京都府)

25~27冊目 建築家 内藤 廣

  

最近、建築家やアーティストの卵と出会うことが多く、刺激を受ける。
そのうちの一人がおもしろい、と紹介してくれたのが、内藤廣
気がつけば日常生活に埋没しそうな感性を刺激してくれるものを探している、最近。

2008年11月17日月曜日

パワーポイント

生協の学割で買うより安い、アマゾンのパワポ。
なんで2000円も安いのか、不思議です。

2008年11月10日月曜日

Photreading → Book Sharing

フォトリーディングを受講して約半年経過して、
自分でも理由がよくわからないが、読むほどに読書のスピードが速くなって、
現在は自己流だけど、読書スピードに不満がなくなった。

そこで、次のステップとして、ブログも読んだ本の感想を書き綴るだけ
ではなく、友人と書いた本を紹介しあう、面白い本を紹介しあう、
口コミを共有するブログに変更することにした。

名称変更: 「Photo reading 2.0」改め「Book Sharing 2008」へ

あ、おもしろそうな本だ。

こんな本読んでいるのか。

その分野は未知の世界だ。

などなど、教養の世界が広がることを大いに期待している。

2008年6月30日月曜日

2.0にしました

講座受講後、二ヶ月を経過しました。

自己流に改変したので、勝手にphotoreading 2.0と名づけてみました。

四ヶ月たったからといって、photoreading 4.0にはなりません。

研究に集中するため、定期的の頻度が遅くなる予定です。

2008年6月28日土曜日

Ken Mogi 著作一覧

単著
2008年 『トゥープゥートゥーのすむエリー星』 毎日新聞社
2008年 『思考の補助線』 ちくま新書
2008年 『すべては音楽から生まれる 脳とシューベルト』 PHP新書
2007年 『それでも脳はたくらむ』 中公新書ラクレ
2007年 『脳を活かす勉強法 奇跡の「強化学習」 brain & study』
     PHP研究所

2007年 『欲望する脳』 集英社新書
2007年 『芸術の神様が降りてくる瞬間』 光文社
2007年 『天才論 ダ・ヴィンチに学ぶ「総合力」の秘訣』 朝日選書
2007年 『感動する脳』 PHP研究所
2006年 『クオリア入門―心が脳を感じるとき』 筑摩書房
2006年 『脳を鍛える!ケータイでできるみんなの脳力トレーニング』 ローカス
2006年 『プロセス・アイ』 徳間書店

2006年 『食のクオリア』 青土社
2006年 『やわらか脳―茂木健一郎「クオリア日記」』 徳間書店
2006年 『すべては脳からはじまる』中公新書ラクレ
2006年 『ひらめき脳』 新潮新書
2006年 『生きて死ぬ私』 筑摩書房
2005年 『クオリア降臨』 文芸春秋
2005年 『脳の中の人生』中公新書ラクレ
2005年 『「脳」整理法』ちくま新書
2005年 『脳と創造性 「この私」というクオリアへ』 PHP研究所
2004年 『脳と仮想』 新潮社 のち文庫 
2004年 『脳内現象 〈私〉はいかに創られるか』 NHK出版
2004年 『脳の中の小さな神々』 柏書房
2003年 『意識とはなにか―「私」を生成する脳』 ちくま新書
2001年 『心を生みだす脳のシステム―「私」というミステリー』
     日本放送出版協会
1999年 『心が脳を感じるとき』 講談社
     「クオリア入門」と改題、ちくま学芸文庫
1998年 『生きて死ぬ私―脳科学者が見つめた
     『人間存在』のミステリー』徳間書店 後ちくま文庫(2006年)
1997年 『脳とクオリア―なぜ脳に心が生まれるのか』 日経サイエンス社

共著

2007年 共著者:波頭亮 『日本人の精神と資本主義の倫理』 幻冬舎
2007年 共著者:松岡正剛 『脳と日本人』 文藝春秋
2007年 共著者:江村哲二 『音楽を考える』 筑摩書房
2006年 共著者:富永裕久 『目からウロコの脳科学
          ―心と脳はここまで分かった!』 PHPエディターズグループ
2006年 共著者:ラケータ 『脳を鍛える!パソコンでできるみんなの
          脳力トレーニング』 ローカス
2006年 共著者:竹内薫 『脳のからくり』 新潮社
2006年 共著者:竹内薫 『異端の脳がホンモノ! 』 大和書房
2006年 共著者:養老孟司 『養老孟司&茂木健一郎の
          「天才脳」の育て方』 アスコム
2006年 共著者:田中洋, 編:電通ニューロマーケティング研究会
          『欲望解剖』 幻冬舎

2004年 共著者:瀬名秀明など 『知能の謎 認知発達ロボティクス
           の挑戦』 講談社
2003年 共著者:竹内薫 『脳のからくり―わくわくドキドキする脳の話』
           中経出版
2003年 共著者:養老孟司 『スルメを見てイカがわかるか! 』 角川書店
2003年 共著者:田谷文彦 『脳とコンピュータはどう違うか
          ―究極のコンピュータは意識をもつか』 講談社
2000年 共著者:養老孟司など 『脳+心+遺伝子VS.サムシンググレート
          ―ミレニアムサイエンス 人間とは何か』 徳間書店
2000年 共著者:天外伺朗 『意識は科学で解き明かせるか
          ―脳・意志・心に挑む物理学』 講談社
1995年 共著者:竹内薫 『トンデモ科学の世界』 徳間書店

wiki より

2008年6月23日月曜日

季刊誌「考える人」2008年春号



小説をあまり読まない方だっただが、
おもしろそうな特集があったので、
一度、手に取ってみようかと思っている。

何か大切なものを見つけられような気がするし、
同時に、読んでいないことの後ろめたさの
ようなものがあったりもする。

海外の長篇小説ベスト100
第1位「百年の孤独」
第2位「失われた時を求めて」
第3位「カラマーゾフの兄弟」
第4位「ドン・キホーテ」
第5位「城」
第6位「罪と罰」
第7位「白鯨」
第8位「アンナ・カレーニナ」
第9位「審判」
第10位「悪霊」
第11位「嵐が丘」
第12位「戦争と平和」
第13位「ロリータ」




http://www.shinchosha.co.jp/kangaeruhito/mokuji.html

2008年6月9日月曜日

24冊目 齋藤 孝『日本を教育した人々』(筑摩書房, 2007)

近代日本の基礎を気づいた若者たちが、師と仰いだ

人物とはどんな人だったのだろうか。著者は、戻るべき

基本を明確にし、現代のある種の日本人の人心に瀰漫する

迷いを断つ必要性を主張する。登場人物は、

吉田松陰-沸騰する情熱の伝播
福沢諭吉-「私立」という生き方
夏目漱石-「夏目漱石」という憧れの構造
司馬遼太郎-日本史を繋ぐ

公と情熱と合理性と教養、

暴力的にまとめれば、この四つの重要性を学んだ。

公のために生きるのであるが、そのためには、

情熱がなければならず、判断は常に合理的でなければならない。

しかしながら、理に立ちすぎず教養ある人間としてあることに

勤めなければいけない。そんな日本人像を素朴に思い浮かべる。

「「日本をどうするのか」という問いと、「君自身は、個人としてどう生きるのか」という問いが繋ぎ合わされたところに、志が生まれ、初めて生きる価値が生まれると考えたのが松蔭だったのである。」(p.49)

もうひとつ、反省したのは、

「学校に行くお金がないから丁稚奉公する。けれども、本当は少しでも上の学校に行って勉強したい、あるいは少しでも多く本を読みたい。しかし、本を買うお金がないから借りて読む。そうまでしても、みな学校に行って学問を積みたいと思っていたのだ。第二次大戦に出征して亡くなった学徒兵たちの手記を集めた『きけわだつみのこえ』を読んでも、死ぬ間際の若い人たちが、もう一度きちんと本を読み、学問をやりたかったと、率直で痛ましい告白をしている。いまの若者がそんなことを言うだろうか。かつて学問はそれほどの幸福感を人々に与えていたけである。そして学問は自分ひとりのためではない。勉強してみんなのために尽くすのだという気持ちが当たり前だった。ついこないだまでは、それが続いていたのだ。」(p.100)

自分の学問に対する態度を凛と引き締めると同時に、

学問がしたくてもできなかった向学心あふれる当時の

若者の悔しさを想うと胸が苦しくなるではないか。

いかに恵まれた環境にいるのか、ということを再認識し、

学び続ける態度を新たにする。

齋藤 孝『日本を教育した人々』(筑摩書房, 2007)

2008年6月8日日曜日

23冊目 波頭亮, 茂木健一郎『日本人の精神と資本主義の倫理』(幻冬舎, 2007)

脳科学者と経営コンサルタントの書いた日本書である

本書は、「怒りの書」の類に入る。

あっという間に読み終えた後に、少量の感想文でも備忘録程度に

書いておこうかと思ったが、新書の薄さにして、

ドシドシと一節づつに考えさせられ、軽薄な文書を書く気が失せる。

確かに、「じつは僕も自分の財産がどれくらいあるのか知りません」「お金の軸と離れていても、幸せとか豊かさを、十分手に入れられるとの確信を持って生きています」(p.110)

このよう、一般的な常識からかけ離れた、

抜けたエリート的会話が続く箇所がところどころあるが、

特に印象的だったのは、

「本当は日本を愛したい、でも愛せないのはなぜか」(p.92)

二人の本質が現れていたのは、

「倫理観で生きる、理想主義で生きるなどと言うと、したり顔をした連中から青臭い、討ち死にするだけとの反応が返ってきそうですが、僕はそれで生きていきたいと本気で願っているし、実際に生きていける事実を見せたいと思っている。」(p.113波頭)

「僕が今追い求めている価値は、…「圧倒的な知的卓越」なのです。だから、僕は二四時間ほとんど、自分の知的好奇心だけを追って生きています。」(p.114茂木)

いずれにせよ、簡潔に感想を書くならば、

自分の勉強不足と教養のなさを痛感するばかりだ。

さあ、本を貪るように読もうではないか。

波頭亮, 茂木健一郎『日本人の精神と資本主義の倫理』(幻冬舎, 2007)



余談だが、

右の『プロフェッショナル原論』は、経営コンサルの使命感を

感じさせ、プロフェッショナリズムを考えさせる、一冊である。

参照:株式会社エクシード http://www.xeed.org/

2008年6月6日金曜日

22冊目 斉藤孝・梅田望夫『私塾のすすめ』(ちくま新書, 2008)

そよ風にあったような爽快感と、

その風景の素敵さ、それが本書を一読して

もつ心象であったことは、深く心に記憶に刻み付けたい。

しかし、内容は風の如くさわやかなものではなく、

激情と怒りが行間から伝わってくる、怒りの書でもある。

・「時代の変化」への鈍感さ
・これまでの慣習や価値を信じる「迷いのなさ」
・社会構造が大きく変化することへの想像力の欠如
・「未来は創造し得る」という希望の対極にある現実前提の安定志向
・昨日と今日と明日は同じだと決め付ける知的怠慢と無気力と諦め
・若者に対する「出る杭は打つ」的な接し方

これらが、斉藤氏と梅田氏が戦っている「まったく同じのもの」の正体だ。

日本社会の閉塞状況に危機感を抱き、変える意志を持たれよ、大人たち。

このメッセージに共感でき、かつ《行動》できるかどうか、それが分水嶺だ。

斉藤孝・梅田望夫『私塾のすすめ』(ちくま新書, 2008)

速読術

速読の目的は、本を速く読むことであり、

その結果、空いた時間を有効に使える。

その目的を達する、手段は効果的でなければならない。

いろいろ調べてみたら、こんなに日本には速読術が

あったのかと、驚いた。

Wikipedia:速読術

参考:速読ってどうよ!
http://surasura.net/hoge/

速読を習得したいとお考えの方は、参考にしてください。

2008年6月5日木曜日

PRELIMINARY ANALYSIS OF PHOTOREADING

何事にも、賛否両論がありうる世界というのは、

多様性に満ちていて、また創造的な世界である。

そのような反証可能性に満ちた世界が、

絶対主義の罠に陥らない一つの方策であることは、

歴史が証明しているように思える。

新しい考えに目を開かない限り、私達に進歩はない。

そのような科学的思考をフォトリーディングを開発した

ポール・シーリィ氏も講師の先生方も教育者としての

お持ちであることに疑問の余地がないのだが、

さて、一つ面白い論文を見つけたので、紹介しておきたい。

速読といってもさまざまなメソッドがあるようだが、

この論文は、ポール・シーリィの開発したPhotoReadingを

対象としている。


NASA Ames Research Centerが発行している

Dr. Danielle S, McNamara,"PRELIMINARY ANALYSIS OF PHOTOREADING"
http://ntrs.nasa.gov/archive/nasa/casi.ntrs.nasa.gov/20000011599_2000009345.pdf

この論文は以下のように結論付けている。

「These results clearly indicate that there is no benefit to using the PhotoReading technique.」(p.11)

もちろん結論を導くためには、経験的事実と論理的整合性

を保ちながら、正しい推論を経て、結論に至るのだが、

それは読者に委ねるとして、

みなさんは、この論文の妥当性をどのように評価されるだろうか。

僕は、受講者として、一度じっくり読まなければいけない。

間違っても、この論文をPhotoReadingなど、できん。

21冊目 内田 樹『私家版・ユダヤ文化論』(文藝春秋, 2006)

周知の事実のように語られることが多いが、

世界はユダヤ人が支配している、という言説を聞く。

例をあげてみよう。驚くべきことに、

1901年~2005年までのノーベル賞受賞者のうち

医学生理学賞 26%
物理学賞   25%
化学賞    18%

ユダヤ人が世界人口の0.2%しか占めないことを

考えれば、「異常」なほどだ。実業界も同様に

しっている名前やブランド、企業名が並ぶ。




ユダヤ人がどういう民族か、

小林秀雄賞がその賞を与えた本によって、

逆説的にどのような賞かが浮き彫りにされるように、

非ユダヤ人のありようが、ユダヤ人をユダヤ人

たらしめている、そのような考察が本書の最初の印象だ。



読みやすい本だ、とはまったく思わないが、(そのために

私家版とついているようなものだが)、その考察を二度三度

と読んで見たくなる本である。

本書は、2007年小林秀雄賞受賞作品である。

内田 樹『私家版・ユダヤ文化論』(文藝春秋, 2006)


余談だが、

非常に興味深かったのは、

「キリスト教徒は利息をつけて金を貸してはならないという宗教的制約が課せられていた」(p.45)「実際には近世資本主義の勃興とともに金利は合法化されている」(p.58)

イスラム金融に金利がないというようなことを

最近きいたことがあり、また、ドバイのバブル景気について

NHKのマネーの潮流という特集が組まれいたこともあったが、

なるほど、前近代において金利はそもそも禁じられていたのか!

しかし、イスラム金融に思うことの一つは、投資はそれに当たらない

というようなロジックであるが、確かに投資と融資は経済学的には

別物と理解できる。しかし、利子の金利が不労所得という意味であれば

宗教的に禁止した、投資と融資の区分は怪しくなるのではないか、と思う。

20冊目 島井 哲志編『ポジティブ心理学―21世紀の心理学の可能性』(ナカニシヤ出版, 2006)

アメリカ心理学会元会長が書いた、

「なぜオプティミストは成功するか」

の延長として、今後21世紀がどのような心理学を

目指すべきかという、研究がたくさん紹介されている。

島井 哲志編『ポジティブ心理学―21世紀の心理学の可能性』(ナカニシヤ出版, 2006)



20世紀のパラドクスの一つに、

なぜこれだけ物質的に豊かになったのに、

それに反比例して、精神が荒廃していくのか

というものがある。

幸せとは何か、良き人生とは、もう一度

私達は、考え、共有する必要を感じる。

それでなくても、日本社会は成長期を終えて

成熟、衰退に向かおうとしている。

いつの時代も、若者は明るい未来を創造していく

意志を持たなければならないと思う。

2008年6月3日火曜日

茂木健一郎とクオリア

これの問題が解ければノーベル賞が貰えるのを1ノーベルとすると、

クオリアの問題は100ノーベルぐらい難しい。

クオリアとは、質感のことを言う。命題はシンプルだ。

物質である脳から、非物質である意識が、どうやって生まれるのか。

脳科学、脳トレと巷では、流行となっているようだが、

彼が目指す本丸とするのは、ニュートンやアインシュタインに

匹敵するパラダイムシフトであるのだ。それが、ようやく分かった。

その一端を記録しておこう。

おそらく、茂木は意識を生物数学的な記述で意識を説明しようと、

一つの仮説としてと以下を考えているのではないかと思った。

「高温の複雑なシステム(人間のほとんど水でできた脳を指す)のなんらかの量子力学的な特性が意識として現れている。それがどういう数学的構造なのかというのは、現時点ではまったく想像もつかないぐらい複雑なものだろう。」

だから、ペンローズの量子脳仮説を翻訳したのもそういう流れの延長にあるのだろう。

参照:クオリア日記

Lecture 1 反応選択性批判、マッハの原理

音声ファイル(MP3, 77.7MB, 84分)

小林秀雄の講演

前回に引き続き、小林秀雄のCDを思わず買ってしまったのだが、

今日届いたので、iPodに入れて聞いてみた。

さて、さて、感涙してしまった。こうも、青年に語りかける言葉に

愛が感じられる、知識人が、今の世の中に居るんだろうか、いてほしい。

特に、科学と意識についての考察は、とてもハッとさせられるものが

続いた。こんなにも、ハッとさせられる体験は、いつぶりだろうか。

現代に≪青年≫といって、誰を指すのか、半歩考えてしまうが、

とにかく、青年に聞いてホシイと、青年ながら思ってしまったのだ。

なんだろうか、この魂に深く共鳴するような、不思議な体験は。



ノスタルジーではないのだ。この講演が収録された昭和49年、鹿児島の霧島も

日本の雰囲気も知らない。all ways三丁目の夕日は小学校の頃よく読んだ。

なんだか、あの力の抜け具合と懐かしさと、あたたかさが大好きで夢中で読んだ。

小林秀雄の講演もそれに対する青年の質問も僕には、懐かしさや、懐古主義

ではない。だけど、あれが「古き良き日本」のようなものだと、言われれば、

思わず納得してしまうであろう。

2008年6月1日日曜日

講演 × mp3

小林秀雄の講演を聞くことで発見があった!

とは、脳科学者茂木さんのことだが、

それを聞いた梅田望夫さんが飛行機など

移動中に、小林秀雄のCDをmp3にしたり、

茂木さんの講義を聞いているらしい。

これにはソクラテス的な思想が流れている。

参照:新潮CD 講演・トーク部門ベスト10

そこで発見したのが、歴史的な講演をfreeで

手に入れられるサイト発見!

Historical Sounds in MP3 Format

これは、スバラシイ。

iPodに入れられるというのもスバラシイ。

この、二重の意味でインターネットと情報技術に感動するのだ。

茂木健一郎 × 梅田望夫

茂木健一郎のクオリア日記がオモシロイ。

mp3で講義や対談がUPされいて、ダウンロードして、
iTunes+iPodに入れて、どこでも聞ける。

その中でも、最も強烈に印象に残ったものがこれだ。

話題は多岐にわたるが、茂木の意見に強くアグリー。

・なぜアイボが撤退したか(退屈しないロボットとは)
 →これは日本メーカーへの示唆に富む。
・グーグルについて
・知のあり方について(身体的有限性から創発しうる知と無限に広がる情報の海)
・偶有性と社会構造・文化、社会のあり方:
 ・東大とケンブリッジについて(日本と欧米の知の交流のあり方)
 ・学会と論文(組織と個人のあり方)
 →これは留学中からの経験でとても分かる
・ポスドク問題
・はてなと大学の共通点
・知のあり方とセクシーさについて
・2chについて
・院生のあり方とモーッアルト(知の疾走感)

しかし、内容はとーても深い問題意識を出発点にしており、

かつ、さらに深く広い問題とつながっているのだと、気づいた。

さらに、茂木版Web時代を生きると言ってもよいだろう。

「Lecture 2 Googleのようなgood old fashined A.I.
が台頭した今、embodimentやintuition、
複雑性に重きを置くromantic scienceはどうすれば良いか。」

音声ファイル(MP3, 78.2MB, 85分)

参照:茂木健一郎 クオリア日記2007/01/23 茂木健一郎 東大駒場講義


これを聞いた、梅田さんが、同じようなブログを書いていた。

「その中で最も刺激的だったのは、茂木が一月二十二日に東大駒場キャンパスで行なった約三時間の講義だった(一月二十三日付「クオリア日記」からダウンロードして聞くことができる)。認知科学や複雑系の研究者や学生を対象とした講義の後半で、茂木は突然グーグルの話をし始めたのである。…続く…」

参照:シリコンバレーからの手紙 科学者に衝撃を与えた「ロマンティックでない」グーグル

2008年5月31日土曜日

Google × NHKスペシャル

Google, 1600億5000万円でYouTubeを買収

NHKスペシャルで特集を組んでいたが、

日本の大手マスメディアを使った、

広告活動としては素晴らしい宣伝効果。

YouTube: Google革命の衝撃 6/6

もちろん、YouTubeで見られる。これは、スバラシイ。

この、最後に出てきた、"Google政府"、"株式市場をコントロール"など

大きな目標を掲げている。思うに、信頼と善意で成り立っている現在の

グーグルが、大きな権力を持ちつつある。

国家権力と均衡するほどに強大になれば、

その境界で公正に関する議論が多発するだろ。

どのような種類の問題だろうか。


Googleはなぜ、公正であり続けるのか、そんなことはないはず。

国家権力が介入するような、不正や汚職、腐敗が発生しえないと

は誰もいえない。ここでも、公正に関する議論が起こるだろう。

ネットの自由な空間がどれほど、国家権力から自由なのだろうか。

または、自由であるべきなのだろうか、と。

iPhone or gPhone ?

彼のプレゼンはすごいらしい、ショーのようだ、

といった話をよく聞くが、なるほど、いろいろ

あって、おもしろい。

それに、なんだか、感動するし、かっこいい。

この、なんだか、ってとこが日本にはナイんだな。

youtube: Macworld 2007- Steve Jobs introduces iPhone - Part 1
iPhone登場の、この熱狂ぶりといったら、アメリカのノリ。


youtube: Introduction of the Apple MacBook Air (MacWorld 2008)-Part 1

これは日本でもCMで放送されたAir Book。





余談だが、

Google Phoneがでるとか、でないとか。

youtube:Google Phone FIRST LOOK!?!

参照:「Google Phone」の発表は2週間以内

2008年5月30日金曜日

茂木健一郎考

ポピュラーサイエンティストとしての。


徹子の部屋 茂木健一郎 1/3

徹子の部屋 茂木健一郎 2/3
徹子の部屋 茂木健一郎 3/3

文化人としての。



茂木健一郎×白州信哉×千宗屋 1/3

茂木健一郎×白州信哉×千宗屋 2/3
茂木健一郎×白州信哉×千宗屋 3/3

ソニー × クオリア

違和感があったのだ。

なぜ日本がiPodやiPhoneが作れないんだ、という嘆き。

いや、でも、日本だって、試みているはずだろう。

というわけで、ありました。

あの、茂木健一郎が参加していたとは。


「高篠副社長は、「ものづくりをもう一度見直さなければならない」とし、「作る」、「造る」、「創る」の3つの「つくる」を掲げ、「価格競争などに終始しているうちに単に“作る”ということに終始してしまったのではないか? 再び創造する“創る”に変えていかなければならない。そうした中で、ソニーのドライビングフォースとなるクオリア製品を創り上げて行きたい」と述べた。


 また、「高い技術と、技術者の“こういうものがつくりたい”という執念が組み合って、はじめて人の心を感動させる製品となる」とし、高い技術と匠の融合した製品こそが「QUALIA」であると解説した。」
 参照:ソニー、「感動創造」に向けた新ブランド「QUALIA」

「“QUALIA(クオリア)ムーブメント”

ソニーは創業以来、エレクトロニクス、ゲーム、映画や音楽などを通じて、人がこれまでに体験したことのない未知なるクオリア(感動、人を惹きつけるもの、驚きや愉しみ)を常に創り出してきました。

ソニーはお客様とソニーをつなぐ全ての活動において、クオリアを生み出す会社であり続けることを目指してまいります。
エレクトロニクスにおいては、人の感性に触れ、感動価値を創造する開発・製造からマーケティング、サービスまでの全ての“モノづくり”を通じて、“QUALIAムーブメント”を具現化してまいります。」
 参照:QUALIAムーブメントのホームページ

さて、失敗した理由はなんだろうか。

「失敗に終わったソニーの「QUALIA」プロジェクト,
どうすれば成功したのか---高級家電に挑むための貴重な糧」
 参照:日経ものづくり

2008年5月25日日曜日

フォトリーディング講座(一ヶ月経過)

あ、もう一ヶ月。

さて、何冊読んだかな、ふむふむ18冊とな。

ブログに書き込んでいない著書に週刊経済誌を

あわせると一ヶ月、30冊ほど、

一日にしておよそ90分ということになろうか。

当初の誓約、100冊には遠く及ばず、かといって、

別に苦もなく30冊は上出来としておこう、そうしよう。


さて、高速リーディングに思ったより時間がかかるのは、

「目的」がないからだと思うのだが、すなわち

ある目的を解決するために情報を探している場合などは

すぐに読めるが、

そもそも、そこから何か新しい示唆に富む考えや論考を

読ませて頂こうという態度からすれば、高速リーディング

は本質的に違う作業になってしまう。これがわかってなかったから

当初一冊、20分で完読と、根拠もなく決めてしまったのだ。



さて、先ほどの情熱大陸「勝間和代」さんの放送で、

見開きページ、6秒で読んでいる姿。

「速いですね。」

「え、だって日本語ですものね。」

かのようなやりとりがあったが、

さて、このフォトリー講座に出席した人なら

誰しも思うはずの、この「6秒」の謎。


①フォトリーディングしている説
②スーパーリーディングしている説
③高速リーディングしている説

①は6秒もかけないので、否定。

②少数説(個人的にはこれだとも思う?)

③有力説 この場合、文章の難易度が非常に易しい、または、重要度が低いため、速く読む。(この理由ならありうる。)または、そもそも普通の読書が速いので、高速リーディングで終始読んでも、これが普通の速さ。(この場合何かフォトリーディングとは別の速読技術を習得しているということになる。)

つまり、フォトリーディング講座では、高速リーディングについては、

全くといっていいほど、触れていなし、そもそも個人差が一番でるのはココだ。

では、高速リーディングのスピードを上げるにはどうすればいいのか。

この課題にも真摯に向き合えば、さらに速く情報処理ができるだろう。

18冊目 林 信行『iPhoneショック ケータイビジネスまで変える驚異のアップル流ものづくり』(日経BP社, 2007)

これはとても示唆に富む本だ。

appleとはどういう企業、そこで働く知人に聞くような

人当たりのいい本だった。

さて、appleとの比較で見えてくる、日本企業というのが、

最近の林氏著書の定番となっているが、

本書も同様に、

「いつかは変わらなければならない」(p.234)

という。もちろん、日本企業についてだ。

曰く、「出発点を見極めるには、今いる業界の慣習や常識を一度忘れるべきだろう。」(p.244)



林 信行『iPhoneショック ケータイビジネスまで変える驚異のアップル流ものづくり』(日経BP社, 2007)





余談だが、

apple storeに何度も足を運んで実際にiPhoneを触って遊んでみたが、

確かに、おぉーおもしろい!なんだこれは!と5分以上は熱中したが、

実際買うか、実用的に使うか、といえば、個人的にはNOだ。

文字は打ちにくいし、NotePC+EMで外出先でのインターネット生活は楽だし。

できれば、EMのネットと携帯を合わせた安い料金で出してくれれば、

すぐに携帯キャリアからオサラバを検討すると思う。

2008年5月24日土曜日

マーケティングの障壁

以前、フォトリーした『キャズム』と同趣旨の調査があったので。

「マーケティングの投資対費用効果を改善する上で必要なのは?」

という質問に対して、

85%-分析結果に基づいて素早く行動すること
70%-投資効果の定義について社内の共通認識を変えること
67%-これまでの仕事のやり方を変えること



このような調査結果を受けての、

「マーケティングの障壁は「情報」より「組織」だ!」

とは、キャズムの著者と同じ意見のようだ。

出所:ボストン・コンサルティグ・グループ「米国におけるマーケティング最高責任者への調査」

「特集:世界で稼ぐ「和魂商才」」『日経ビジネス』(2008.4.21)(p.42)

GDPと一人当たりGDP

今週の日経ビジネスの特集に「世界の賢者が明かす」と題して

ウォーレン・バフェットのコメントがあったが、

なるほど、と思った記事を一つ。

「米国の人口は毎年1%ずつ増えている。GDPが0.5%増だとすると一人当たりGDPは減少していることになる。この状態が100年続いたら米国は恐ろしく貧しい国になっているだろう。」
『日経ビジネス(2008.5.26)』(p.30)

さて、日本は。

参考資料
OECD諸国の一人当たり国内総生産

2008年5月22日木曜日

17冊目 小川,林『アップルとグーグル 日本に迫るネット革命の覇者』(インプレスR&D, 2008)

端的に両者の共通点を

「この両者が決定的に似ているのは、帰納法的に考えるのではなく、演繹法で事業を考えていることだ。つまり、何かの理想の世界、こうであるべきだという確固たる想いがあり、どんな紆余曲折を経てもそこにたどりり着くんだという、理想に対して殉ずる決意があるところだ。」(p.196)

他方で日本企業の多くは、いわずもがな、と指摘しているのは、

最近のapple書では何度も目にしているところだ。

それほど、日本企業というのは奇特なのか、危篤なのか。

参考:
googleの理念


小川,林『アップルとグーグル 日本に迫るネット革命の覇者』(インプレスR&D, 2008)

2008年5月18日日曜日

16冊目 岡嶋 裕史『iPhone 衝撃のビジネスモデル』(光文社, 2007)

「おそらくiPhoneは成功するだろう」(p.210)

このような、大胆な予測は、およそ本書に似合わず、

むしろ、著者は、関東学院大学経済学研究科の准教授

として、アップルへの好意的なまなざしを感じさせつつ、

すべからく批判的で分析的な思考が展開している。

例えば、iPhoneの前面タッチパネルの価値について

「これはユーザーにとってディスプレイであり、インターフェイスでもある。限られた空間を二重の意味で満たすことによって、価値を乗じたのである。」(p.135)

また、情報を囲い込むことでビジネスが成立していた環境に対して、

ウェブの発達により、情報の持つ価値が共有され希薄化されるという

傾向を見据えつつ、「だが、情報が直接的に金銭的価値に還元されることが、予め排除された社会システムを作り上げてしまっていいのだろうか。」(p.168)

と疑問を呈し、

「情報の持つ直接的価値がゼロになる社会を作ってはいけない」(p.177)

と結論付けている。

さらに、Web2.0について

「Web2.0とはウェブの理想的な姿(セマンティックWeb)がなかなか現出しない状況に業を煮やしたユーザが、統合的な世界標準規格や巨大なソフトウェア産業の力を借りずに、自分たちで擬似セマンティックweb、仮想セマンティックwebを作ろうとしている状況であり、ウェブの進化の歴史の中で転換点になる出来事だったことは間違いない。」(p.45)

と定義している。

著者は、セマンティックwebが理想であり、正常な姿であるという考えをもとに

主張を展開しているが、それがどのようなものかは、本書では明らかにはされていない。

そして、web2.0ビジネスで勝者になれる可能性のある企業とは、

「1.先行者で、オールマイティなニーズに対応できる大資本を持つ組織。2.自社でしか用意できないスーパーニッチを保有している組織。いうまでもないことだが、こうした製品やビジョンを保有している企業は、リアルにおいても十分に競争力を持つのである。web2.0はそのプロセスを円滑に進めるための手段として機能しているだけで、web2.0自身がビジネスを生み出しているわけではない。」(p.65)

上記の「web2.0は単なる手段説」は、『ビジョナリカンパニー2』の第七章「新技術にふりまわされない」で展開される、インターネットという新技術に対する態度と、その冷静さが、酷似しているように思われる。

岡嶋 裕史『iPhone 衝撃のビジネスモデル』(光文社, 2007)

2008年5月17日土曜日

15冊目 中島 聡『おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由』(アスキー, 2008)

これはタイトルの印象を裏切り、とても興味深かった。

経営学というタイトルだから、学問的に論じているのかと

思ったら、対談だ。本書は、数ヶ月前に出版されたもので、

過去のブログと対談の形式でまとめられており、最新の知見や

考えが、手に取るように読め、スピード感を感じる。

主張は興味深いものが多く、これからのインターネット、

ハード・ソフトウェアの10年を考えさせられる。

例えば、国策である地上波デジタルへの移行について

「光ファイバーがここまで普及した今、電波で送るのは離島などの僻地だけにしておき、人口密集地には光ファイバーで送るほうがはるかに経済的でサービスとしてもいいものが提供できることは明白である」(p.65)

次に、競争力の源泉としての日米の企業文化と教育環境だ。

「この時代にいちばん必要なのは「ビジネスのことがわかる技術者」であり、「ITのことがわかる経営者である。これから何が必要とされて、次に何をしなければならないかをしっかりと「時代の流れ」をとらえて読む力が、この業界で生き抜くために不可欠なのだ。」(p.76)「特に、IT業界で身を立てようという学生の中には、コンピュータ・サイエンスの学位に加えて、同時にビジネスの学位を取得してしまう強者もいる。」(p.78)「米国のマイクロソフトで働くようになって最も強く感じたのは、日本にはごく少数しかいない「ビジネスのことがわかる技術者」「ITのことがわかる経営者」がたくさんいることだ。」(p.77)「「僕はエンジニアだからマーケティングは分からない」「私は商学部だからITのことはエンジニアに任せる」などと甘いことを言っていては「技術とビジネスの両刀使い」がたくさんいる米国の企業と同じ土壌で戦うことはできない。」(p.79)

考えるべきは、

所与の組織や、個人の保身のための集合体として

日本社会が存在価値を見出しているのではないか。

次に、そのような社会が、国際競争力を高めるために本来使うべき

資源を≪無駄≫に使っているのではないか。

先日の情熱大陸に勝間氏が出ていたが、氏が日本社会の

≪効率化≫に必要性を説いていたが、我々が米国から学ぶべきことは

まだまだあるはずだ。

中島 聡『おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由』(アスキー, 2008)

2008年5月13日火曜日

14冊目 ジェフリー・S・ヤング・ウィリアム・L・サイモン『スティーブ・ジョブズ-偶像復活』(東洋経済新報社, 2005)

第一部がめちゃくちゃおもしろい。

といっても、発禁騒動などあり、どれほどの真実かは

問われるているので、真実に×75%ぐらいをかけて、読んでみとしても、

彼の青年期後期までの話が秀逸だ(読み物として)。

個人的には、もっとも彼の生に対する衝動の根源にあると感じるのは、

「両親について満足できる答えがどうしても見つからず情緒不安定に陥っていたし、精神的な真理を捜し求めていたスティーブに対して禅宗がそれなりに満足のできる答えを与えてくれたのだ。」(上p.55)

結婚式も禅宗の僧が取り仕切ったほど彼にとって禅は大きいのだ。

NYなどの本屋に行けば"ZEN"というコーナーがあり、

ファッションのようにも思えたが、彼にとってはそうではなさそうだ。

里親に育ち、生みの親を探し、自分がなぜ生まれてきたのか、

そんな悩みを抱えながら青年期はアイデンティティを模索していただろうに。

僕には、iPodの機能美がそのような葛藤や苦しみの果てに見える。

「周囲の期待、プライド、恥や失敗への恐れ――こうしたものは全てわれわれが死んだ瞬間に、さっぱり消え去ってしまう。最後に残るのは本当に大事なことだけだ。自分もいつかは死ぬんだと考えることは、失うことの怖さという落とし穴にハマらないもっとも効果的な方法だ。君達はすでに素っ裸だ。意に反して生きる理由なんてどこにもない」(下p.117)「お前がやりたいのは、本当にこんなことなのか?」(下p.66)

生き死に、生命を語り、人生の本質を語る彼を見ると、

起業家、経営者、デザイナーというような職業的名詞ではなく、

ただただ≪一人の男≫として魅力的なのだ。


さて、よく分からなかったのは、

「孤独を好み、自己陶酔型で、他人と接点を持たず、交友範囲は狭く、運動が苦手だった」(p.31)

らしいが、どうしてそんな偏屈で閉じこもった人が、奇才になり、カリスマ性を持ったり、

リーダーシップをとったり、組織を動かしたりできるのだろうか、と思う。

それは、社交的で、人付き合いがよく、人望があることこそが、リーダーにふさわしい

なんていうことが誤解だったのだろうか、と自問する。

孤独が好きだろうと、自分の世界に浸ろうと、チームの統率は関係ないし、

リーダーシップはもっと別のパーソナリティに関係している、ということなのだろうか。

以上、スティーブ・ジョブズに興味がある人必読の書と思います。



他方で、下記の書は、写真と少しの文章で上記書要約版といった感じです。


ジェフリー・S・ヤング・ウィリアム・L・サイモン『スティーブ・ジョブズ-偶像復活』(東洋経済新報社, 2005)


林 信行『スティーブ・ジョブズ 偉大なるクリエイティブ・ディレクターの軌跡』(アスキー, 2007)

2008年5月11日日曜日

13冊目 オーウェン・W・リンツメイヤー・林 信行『アップル・コンフィデンシャル2.5J(下)』(アスペクト, 2006)

先日の「上巻」に続き、今回は「下巻」。

今回はスティーブ・ジョブズ登場が少なく、むしろ11年間の

カムバックまでのアップルが正確に描かれているようだ。

「ディスカバリーチャンネル アップル再生: iPodの挑戦」



このDVDには、スカリーの時期の低迷とジョブズの再来と

アップルの復活が強いコントラストで描かれていたが、実際は

そうでもないようだ。

オーウェン・W・リンツメイヤー・林 信行『アップル・コンフィデンシャル2.5J(下)』(アスペクト, 2006)


それにしても、「ネクスト」「ピクサー」手がければなんでも

成功させてしまうんだな。ジョブズはまた、ギャップやディズニーの

取締役でもあることにも初めて知った。それにしても、コミカルで

ユーモアにあふれて、エネルギッシュで、アメリカのカルチャーというのは

なんだか魅力的だな。

インドの放浪のたびについては、まったく書かれていなかったが、

「17歳から毎朝「もし今日が人生最後の日だったら、今日やろうとしていることは本当にやりたいことか」を問い続けている」答えがNoと続けば…」(p.401)

なかなか、かっこいいこと実践してるやん。

2008年5月10日土曜日

12冊目 オーウェン・W・リンツメイヤー・林 信行『アップル・コンフィデンシャル2.5J(上)』(アスペクト, 2006)

まったくスティーブ・ジョブズの印象が変わった。

まだ、半分しか読んでないのに。

父が中東の政治学者だってことも、里親だってことも、

30歳でアップルから追放されたのも知ってたけど。

血を分けた妹が・・・だったなんて。



いずれにせよ、この人物像は、もうひとつのそれと表裏一体だと思える。

「スティーブは刺激物以外の何物でもなかった。傲慢で、無礼で、激しくて、注文が多い――完全主義者だった。未熟で、もろくて、感じやすくて、傷つきやすい一面もあった。精力的で、洞察力があって、カリスマ的だったが、たいていは強情で、頑固で、まったく信じられない男だった」byジョン・スカリー(追放した人ね。)(p.356)

または、

「スティーブは信じられないほど輝かしく壮大な目的意識を示すことによって、皆に共通の動機を持たせる並外れた能力を持っていた。リサ(開発していたPC)については、『宇宙をへこませてやろうじゃないか。宇宙にくぼみができるほど重要なものにっできるはずだ』とよく言っていた」byトリップ・ホーキンズ(リサのマーケティング計画担当マネージャー)

もちろん面識もないけど、なんだか見聞きした彼の印象、

たった数時間本を読むだけで、こんなにかわるとは。

≪人の印象を持つ≫とは一体どういう意味があるんだろうか、

と自問してしまう。それが雲のようなものであることには違いない。

だからこそ、どの人間も興味深い。

オーウェン・W・リンツメイヤー・林 信行『アップル・コンフィデンシャル2.5J(上)』(アスペクト, 2006)



余談だが、

日本人として、興味深かったのは、

「ソニーはアップルにとって憧れの企業であり、いつかはそうなりたいと思う企業だ」(p.57)と言明しているところ。

Steve Jobs Stanford Commencement Speech 2005



追記



2008年5月9日金曜日

Apple CF "ThinkDifferent" in Japan

Steve Jobs and Bill Gates Together: Part 1 of 7



ご存知iPodを作った、アップルの本を読んでるので ↑ 。

ふと、思ったのは。

大阪府の橋本知事がプロジェクトチームと部長の議論を

すべてマスコミに公開している。それはテレビカメラを通じて、

夕方のニュースを通じて、いま大阪では、何が議題で、

どういう意見があり、どういう方向にしたいのか、すぐわかる。

百聞は一見にしかず。

というか、素朴に思うが、すべての議会、行政の部会も、

youtubeにupすれば?

それが、インターネットの民主的な使い方だ。

それを≪正しくない≫といえるのは、抵抗勢力だけだね。

情報を持っていること=力を持っている人、

このイコールががなくなる世界はもう、すぐそこか。

2008年5月8日木曜日

10冊目/11冊目 H・D・ソロー『森の生活(上・下)』(岩波書店, 1995)

GWに見た映画「今を生きる」
http://movie.goo.ne.jp/dvd/detail/D111594378.html

その中に幾人かの詩人が出てくる。

彼のクラスには、ロマン派詩人キーツが飾られていたはず。

そこで、英米のロマン派詩人の作品を目にしたくなり、

その後、ヘンリー・デイヴィッド・ソローにたどり着き、

当時の「森の中での生活体験記」を、

現代日本の≪みどりの日≫に読んでみた。

いつの時代であれ、自分の生き方を貫き通すって、勇気のいることだと思う。

それはそれは、一言で表現しきれるものじゃない。

でも、あえてすれば、妥協しない生き方とは、

ナーイブ言い方をすれば純粋、

自覚して実践すれば≪高潔≫だと思う。

いつの時代も少数派だが、そういう生き方してる人はいいね。



H・D・ソロー『森の生活(上・下)』(岩波書店, 1995)



余談だが、

科学と詩的感覚の関係について興味がある方は、

ご存知ドーキンスの中でも、この著書へ。

2008年5月3日土曜日

フォトリーディングできる本とそうでない本

外を見れば、ゴールデンウィークではないかー

率直に言おうではないか。このような天気のいい、

のんびりしたそよ風が吹く、午後の陽だまりにいて、

喜び勇んでフォトリーディングなどする者など・・・いない!



それでなくても、詩集はフォトリーしないし、



科学の一般書も同様、



写真集なんぞもちろん。


ひとえに読書といえども、読む目的、書籍の性質・種類、

により方法論は様々。


使い分けよう。

2008年5月1日木曜日

9冊目 勝間和代『お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践』(光文社, 2007)

金融の知識を網羅的に、新書の版にまとめ込んだ、一冊。

入門書としては最適、適時リンクも紹介されている。

資産運用は資産ができてから、と思っている方はすぐに本書を。

本書は金融・経済の正しい知識の普及・啓蒙活動の目的を持つ。



勝間和代『お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践』(光文社, 2007)

参考文献として紹介されていたのは、













ちなみにジョージソロス『ソロスの錬金術』絶版のためか、

古本が9000円超えている。これは高いでしょう。

文庫がでるのか、プレミアがつくのか。

個人的には、「セイヴィング キャピタリズム」

興味深い。以下、内容紹介

「20世紀初頭には活気のある開放的な金融市場が広範な繁栄を創造したが、その後、大恐慌の間に「大反動」が到来した。市場とは何をするものなのか、誰が利益を得るのか、そして本当は誰が市場を制限ないし閉鎖したいと欲しているのかについて、より深く理解されない限り、それはまた起こりうるし、起こるであろう。本書は、右派だ左派だといった伝統的なイデオロギー的議論を打破して、新しい理解の枠組みを示し、生産性に優れた資本主義の可能性を広めるものである。」

盲目的に行動してみる

フォトリーディグを始めた人、挫折しかかっている人、

すでに挫折した人。様々いると思うが、

本当に読めているのか、実感もないのに、

一ヶ月やってみるというのも、実は盲目的に信じてみる

という覚悟と決断がなければできないな

と思ってしまう。


「本当なんーそれ、フォトリーディングって

なんかうさんくさいわー、絶対せんしー」

というような周りの声に、動じず、之日々実験。


同様の、一見信じがたいが新しい方法論で

英語学習に一つの道を作った本を紹介したい。



辞書なんていらない、飛ばし読んでオッケー

そのうち、ペーパーバックなんて楽勝に読める。

そう断言するのは、SSS英語学習法研究会:http://www.seg.co.jp/sss/

の酒井邦秀氏。常識と迷信をかなぐり捨てて、

以下の方法論を提示する。

「和訳などせずに、ぼやっとした理解で放っておき、たくさん読むうちにいつかその霧が晴れて澄明な理解に変わるのをじっくり待つ――そういう我慢が必要だと思います。」(p.175)


気が付けば、英語が読めるようになっている。

そういう体験をしたい方へ。速読ではなく、多読です。

両方したらどうなるのだろう。コラボだな。

8冊目 神田昌典『成功者の告白―5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語』(講談社, 2006)

初めてこの本を買ったとき、

それはフォトリーディングの監訳をしているのが神田氏だから

という理由だけだった。きっと、成功者として、自分が

以下に幸せか、経済的、物質的富に満ち溢れているのか

自慢していると思っていた。が、まったくの邪推だった。



自分の数少ない経験にもかかわらず、起業、経営、家庭、親子、

失敗、病気、挫折、愛や意志、怒りについて、またその関係について、

今まで自分が考えてきたことがエッセンスとして表現されているように

思えた。共感できる。本書を開けば、そこには至言。



「経営と家庭は密接な関連性を持っている。」(p.328)

この言葉に、ピンときた方へ、本書を。

「妻は本当の子供を育て、僕はチームを育てるという仕事をしていたんだな。妻が帰ってきたら、僕らは同じ事をやっていたんだね、そう言ってみよう。」(p.258)

心から、そう言いいたい方へ、本書を。



神田昌典『成功者の告白―5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語』(講談社, 2006)

2008年4月29日火曜日

一身にして二生を経る

福沢諭吉曰く、「あたかも一身にして二生を経るがごとく、

一人にして両身あるがごとし」。(『文明論之概略』)

享年66歳、最初の33年を江戸封建時代に過ごし、

最後の33年を明治維新後に過ごす。

インターネットを前にして梅田望夫は、同様の生涯を望む。

曰く、その人生となれば、

「今の常識は、あとの半分の人生では通用しない」

そう、思うことが肝要だ。

続けて彼の思想を脳科学者の茂木健一郎こう評価する。

「梅田さんの持つ素晴らしい資質は、「楽天的であるということは一つの意志である」とでも表現できるような決意と世界観である。「未来に明るさを託す」ということは、単なる現状の認識に発することではなく、むしろそのような世界を創り出すという意志に基づく行為である。」(梅田望夫『フューチャリスト宣言』p.13-4)


シリコンバレーという小さな街、国境を越えたインターネット、

それぞれの特異な文化が新しい世界を牽引していく。

梅田はこれを評して「混沌として面白い時代」という。


左から順に、

未来を創造したい「知的で明るい大人」な方へ。

これから始まる新しい物語の一片に触れたい方へ。

ネットの側に賭けるかどうか迷っている方へ。

「支配型思考」タイプへの質問



週間ダイアモンドの

「「支配型思考」タイプへの質問は、理由と内容を端的かつ具体的に」

http://diamond.jp/series/coaching/

の記事を見て。

読みたくなったので興味のある人はどーぞ。

2008年4月28日月曜日

トニー・ブザン【教育カンファレンス】

トニー・ブザン【教育カンファレンス】
2008年5月10日(土)
13:00 開場 14:00 開演 18:00 終了

※4月1日より全国一斉発売
800名
ブザン・ワールドワイド・ジャパン株式会社
有限責任中間法人ブザン教育協会
株式会社ALMA VISTA
株式会社ALMACREATIONS
第1部 : 基調講演(トニー・ブザン氏)
第2部 : パネルディスカッション(各パネラー)
第3部 : マインドマップコンテスト

参加希望の方は:http://www.imindmap.jp/0805event/

6月から値下がりするらしい

6月から値下がりするらしい

というのを申し込んでから聞いて。

えー、まじー、もう4月の申し込んだしー

と思っていたが、

なにかくれるらしい。ラッキー :)

ご進呈教材 2大教材プレゼント

・「フォトリーディングアクティベーター」CD教材

パラリミナル効果を応用したフォトリーディングのスキル
アップ専用CD教材です。脳の活性化につながり、フォトリーディング
ホールマインドシステムのスキルアップにとても効果的です。

・英語教材「MEリスニング」Vol.5 CD教材

世界23ケ国のフォトリーディングのマスタートレーナー、
リネットアイレス氏のインタビューが収録されています。
通常の全18シリーズの定期購読教材ですが、今回は
リネット女史のインタビュー号を特別にみなさまへご提供させていただきます。

値下げについては:http://www.lskk.jp/news/

2008年4月27日日曜日

7冊目 権八 成樹『花を売らない花売り娘の物語 High-Touch Contact with Customers』(光文社, 2005)

「花を売らない花売り娘-ハイタッチマーケティング論」

というタイトルに心引かれ、

読んでみたのが、フォトリーディング7冊目。

まえがきで、「この本はビジネス書ではありません」

と書かれているではないか。



権八 成樹『花を売らない花売り娘の物語 High-Touch Contact with Customers』(光文社, 2005)



著者の生き様、思想、世界観の

自論、または、≪独白≫というべき一冊。

どう理解してよいのか、よく分からない。

6冊目 ジェフリー・ムーア『ライフサイクル イノベーション 成熟市場+コモディティ化に効く 14のイノベーション』(翔泳社, 2006)



ジェフリー・ムーア『ライフサイクル イノベーション 成熟市場+コモディティ化に効く 14のイノベーション』(翔泳社, 2006)

原書「Dealing With Darwin: How Great Companies Innovate at Every Phase of Their Evolution」

Amazonのページに、ジェフリー・ムーア氏の「Amazon.co.jp独占音声コメント」

が音声と文章で載っています。

マーケティング、市場、戦略とはこういうものか、

と掴めた程度でよしとしたい。実際に経験がない

ために、ただの紙の上の文字の羅列になっている気がする。

個人的に、経験と本が結合しなければ、価値が見出しにくい。

5冊目 ジェフリー・ムーア『キャズム』(翔泳社, 2002)

ジェフリー・ムーア『キャズム』(翔泳社, 2002)

原書「Crossing the Chasm: Marketing and Selling High-Tech Products to Mainstream Customers 」




初めてマーケティングの本を読んだが、

率直にとても興味深かった。ムーア曰く、

もちろん、やっているのは戦争だ、という気持ち

が伝わってくる。

詳細は本書に譲るといして、

印象に残ったのは、

「これからマーケティングを進めていくにあたり、信頼できる情報がほとんどない状況下で、これまでもっとも難しい決断を下さなければならないのである。」(p.145)

革新的テクノロジーが主流の地位に普及するプロセスについて

分析し、かつ理論を実践的に使うために、、

キャズムを超えるマーケティングにかかわる意思決定のロジックを

明らかにしている。

Tony vs. Paul



フォトリーとは、

全然関係ないけど、

ただ、おもしろかったので、

ポールつながりで。

just for fun.

photoreading

Preview of Interiew with Paul Scheele

Paul Scheele On How The Lefkoe Method Changed His Life



彼がフォトリーの開発者です。

誓約の意味

初めて習って、数日フォトリーしてきたが、問題発生。

継続に不安を感じる。



1.そもそも何をもってその本を読んだ、とするか。

以下、どれもが含まれるだろうか。

①予習でよむのやーめた。(これは読んでない)

②フォトリーして終了。

③フォトリー+復習で終了。

④活性化まで終了。

⑤高速リーディングまで終了。

まず、この本読みましたよー、というセンテンスに含まれる意味合いは、

(常識的には)はじめの文字から、終わりの文字まで読みましたけど、なにか?

(フォトリー的には)全体のいいたことは掴みましたが、なにか?

両者的には、

(常識派)で、詳細な点をちゃんと押さえて、読み込んでいるのですかね。

(フォトリー派)で、そんな時間かけて、概要、要点、詳細をつかむのですかね。

まー、両者ごもっともなので、

⑥の高速リーディングを終えて初めて、本を読んだ、とカウントすべき。


この問題はいいとして。次に、


2.30日に100冊読む、と決めたとして、

それに一体どんな意義があるのだろうか。



本当に必要な本だけ、または、本当に読みたいと思う本だけ

を読めばいいと思い始めている。必要性を感じない、興味を感じない、

というのであれば、今の自分に読む価値がない、

または、読む意義を見出してないということに等しい。


であれば、本当に読む必要のなかった本が見つかって、

ハッピー、または、意義を見出すにはどうすればいいか、

という問題だ。


"あの時誓約したから"、といった理由で本と向かいあうのは、

ナンセンスだ。それは、達成不安を招き、達成可能性が乏しいと

27日目に感じれば、それこそ最後の3日間は、

切迫した緊張感にとらわれてしまうだろう。


そもそも、時間のない人が、たくさんのINPUTの時間を心から

欲していて、そのために、フォトリーが有効だとされるものだ。


本棚を見回して、今の自分は必要のない本は読まない、つまりは、

今の自分の人生の目的を明確にするという作業こそが、(本当は不必要な)

本を読まなきゃいけないと思う心をなくすと思う。


ということで、

当初の誓約は、4日目にして「生産的取り消し」という結果が

望ましいことを確信し、今日からは、


まー、読む必要があれば読むし、心から読みたくなったら読むし、

そうでなければ、本当に価値あるもっと他のことを優先しますします。


逆説的ですが、100冊読むぞと決めて、

100冊も読むことを望んでいないことが明確になりました。

It's like I can do it, but I don't want to.


余談ですが、

誓約作成時に、SMARTの法則が登場しましたが、

詳細を知りたい方は、下記の170頁~。






ハイラム・W. スミス『TQ―心の安らぎを発見する時間管理の探究』(キングベアー出版, 1990)

2008年4月26日土曜日

儀式

講座の最後の方で、質疑応答があった。


誰しも不安に感じることだが、

どこか人前で、一秒間に一回ページをめくったら、

それはそれは、奇異な目で見られるか、

変な能力開発に参加した、残念な人と思われるか、

まあその類の不安だ。


その質疑応答での話だが、

フォトリーディングを始める前に行う集中する方法

がいくつか体系的にレクチャーされた。

詳細については、講座で知ってほしいが、

とにかく、それを称して"儀式"と表現されたのだ。

そんな儀式は人前でできないが、なんとかならないか、

といった質問だったと記憶している。


あの時はおかしく感じたが、

今から思えば、まさしく意識を集中へと高めていく過程、

自分の内的世界に入っていく過程を

適切に表現していると思う。この「儀式」という言葉。


また、同時に効果を感じるのは、継続すればするほど、

ルーティンワークになり、集中力が高まりやすくなることだ。

同じ身体運動を繰り返すことで、その後にフォトリーディングへと

つながっていくことを前もって体が記憶していくとでも

表現すればよいのだろうか。

タイガーウッズがスイングの前に、イチローがネクストバッターズサークルで、

同じ動きをするのと同じような発想のはず、なのだろう。

大英図書館

フォトリー講座、一日目終了後。

どんな夢を見るか、覚えておいてね、

と先生に言われて。

疲れていたので、ぐっすり寝たらば。

壁一面の本棚に囲まれた部屋にいて、

大英図書館的、圧倒感を感じた。


それにしても、分かりやすい夢見るなー

単純。







フリップページ

ステップ3のまさに、フォトリー最中に

見開きのページの真ん中に、

折り目が二つに見えるのがいいらしい、

といわれている。

が、初めてやったときから、フリップページは見えるし、

さらに、文字にピントがあって、くっきり見える。

先生に質問したところ、

ぼやけたほうがいいんでしょうか?

それは一歩先、上級者の見え方ですよ、

そのままで大丈夫です、とのことで。

マーティン・E.P. セリグマン『オプティミストはなぜ成功するか』(講談社, 1994)

フォトリー講座(フォトリーディング講座と書くのが長いので、

知らぬ間に、「フォトリー」と書いてました、以下同上です。)

で紹介されていた本、かつ、以前読んだことのある本。




マーティン・E.P. セリグマン『オプティミストはなぜ成功するか』(講談社, 1994)

アメリカ心理学会(APA:http://www.apa.org/)の前の会長をしていた、セリグマン。

まず、心理学の歴史がおもしろい。

特に、行動主義の反発、実験と新理論への実証。

次に、楽観主義を身につけるための方法が、実践的である。

特に、ABC理論(アルバートエリス参照)は誰でも今すぐ使える。

最後に、できるビジネスマン、当選する大統領、勝てる野球チーム、

成績の良い子供、なんだって、楽観主義で説明がつくのだ、という。



さて、現在の心理学会でどういう最新の理論展開をしているのか

知らないが、いずれにせよ、チクセントミハイのフロー体験、同様

実践的である点がおすすめである。

ハーバードつながりで

ハーバード関係の著作がするすると出てきたので

紹介したいのが、

デイジー・ウェイドマン『ハーバードからの贈り物』(ランダムハウス講談社, 2004)

原書「Remember Who You Are: Life Stories That Inspire the Heart and the Mind 」

原書で読みたい方は右を。





僕が大学に入る前に、

大学教授とは、象牙の塔で、大量の文献に囲まれた、

世捨て人の集まりかと、 思っていた頃。

これを読んだらば、遠いアメリカという国には、

ハーバードビジネススクールというところがあって、

キラ星のごとく輝く教授達がすばらしいレクチャーを

しているのだとワクワクしたものだ。


15篇のエッセイ集になっている。

今になっても響くことが、いっぱい書いてあることに

驚いた。

「学生が教室に足を踏み入れたとき、そこにどんなチャンスが待ち受けているか、その本質をきちんと理解しているとは限らない。教室には85人の聡明で勉強熱心な学生がいて、それぞれが積極的に、しかもお互いを尊重しながら意見を述べて集団学習のプロセスを推進していく。だから授業の水準は極めて高い。しかし、それはつかの間のことだ。次の日に学生の誰か一人がいくらがんばってみても、同じ体験をすることは二度とできない。授業はきっかり80分で時間切れとなり、教室での学習体験も、ディスカッションも、クラスメイトと共有した時間も終わりを告げる-永遠に。ところが学生たちはこのことを必ずしも理解していない。そして時にはだらけた態度をとる。」(p.144)

メッセージを一言でいえば、

「今という時間を味わい、大事にしてほしい。

 今、ここで体験していることには終わりがある。」(p.143)


そんなメッセージをフォトリー講座に重ねてみる。

ハワード・ガードナーつながりで

MI理論で有名な、ハワード・ガードナー。

彼のハーバードのクラスに出席していて

リーディングの課題が大量すぎて死にそうだった

とかなんとか買いてあった本を読んだことが

あるなと思い出し、たしかこの本だったはず。



改めて読み返してみると、

なんて!おもしろい!かつ、勇気づけられる!本なのだろか。

異文化で生活していくって、サイバイブなんだなって、しみじみ思い出す。



が、ガードナーが出てこない。ので、森田さんの他の本に

ハーバードでの大学院生活体験が書かれているはず、です。


久しぶりに読んで、

目に留まったのが、


「僕は大学に入った当時、国際政治に興味があり、国際法の勉強をしていました。しかし勉強すればするほど、僕ひとりの力ではどうしようもできないような気がしてきたのです。毎日、「もういまは生きていない政治学者が昔こんな事を言っていた」…なんて事を勉強しているだけで、自分から何か変えていくようなものではなかったから。(p.142)



僕も、学部で、国際法を勉強していたので、

なんだか、思うところ、共感できる。


と、つらつら書いたが、

著者がまえがきで書いた、

「これからさまざまな壁にぶつかって行く人たちに一言。諦めちゃダメだよ。諦めたらそこで終わりだからね。 逃げたりしないかぎり、チャンスは必ずあなたを待っているでしょう。」



とりあえず、フォトリーは、諦めずがんばります。

多重知能理論

ハワード・ガードナー『MI:個性を生かす多重知能の理論』(新曜社, 2001)

ずいぶんと昔に読んだことのある本が、

フォトリー講座で紹介されていたので、

詳細について、述べておきたい。

ハーバード大学大学院教授、ハワード・ガードナーがの知能理論。

Multiple Intelligences、略してMI。

IQだけではとらまえることのできない知能を包括的に射程に

押さえた理論となっている。

例えば、数学・論理と空間認識に長けた才能を測るIQ

だけでなく、音楽やスポーツ、芸術に他さまざまな知能

があるだろうと、述べている。



余談だが、

英語の授業でプレゼンでMI理論を取り上げたら、

"Intelligence"は不可算名詞だ、

"s"をつけて複数形にはできない、

"Intelligences"とするのは、間違っている、と指摘を受けた。


それほど、革新的ってことですか。


ACTIVATE

さて、さっそく、やり方を間違えていました。


ステップ3のフォトリーディングしてから、

ステップ4の活性化するまでの間に、、、

最低5分~できれば一晩「生産的休息」をするものだと。



間違ってました。



フォトリーディングを終えたら、す・ぐ・に、復習なんですね。

本を読み直して、気になる言葉を取り出す作業はフォトリー直後に。

そして、そのキーワード・トリガーワードを元に、質問作成もすぐにします。

で、「生産的休息」に入ります。



まだ、誤解しているところがあるかもしれないなー。

2008年4月25日金曜日

シントピック・リーディング

フォトリー講座では、レポートや論文を書くのに役立つ

「シントピック・リーディング」というのを

教えてもらったが、

新しいアイデアを得る、着想を得るのには、

ぴったりだと感じた。

あの、ふわっとした共通点を探しにいく脳の中の揺らぎ感。


しかし、筆者の意図や主張を厳密に

分析的に、批判的に、読み取っていく作業ではないと思う。



ポール・シーリィも以下のように述べているのが

当初からすごく気にかかっている。

「フォトリーディングは私たちが知っている「読書」とは異なるものなのです。この情報処理法は、批判的、論理的、分析的な脳の働きを一時的に迂回することによってのみ、可能になります。」(10倍本, p.46)


筆者や論者が言いたいこと、行間、文脈などなどが、

どのように、フォトリーで読解できるのか、実験してみたい。


また、フォトリーに対する不安の一つは、

わかったつもりになっているだけじゃないか、

というものだと思う。あわせて読みたいのが、

下記の本。読んだら、感想をまた書いてみたいと思います。

SQ3Rメソッド

フォトリーディングを受講して思い出したことだが、

オーストラリアの大学に留学するときに、

日本の大学とは教え方が違う、

欧米の大学では大量のリーディングが課題として出される、

といった話をよく耳にしたので

「勉強する方法」を勉強していった経験がある。

そのときテキストにしたのが、

川手-ミヤジェイェフスカ恩『海外の大学・大学院で授業を受ける技術』(アルク ,2003)



この本に紹介されいるリーディングメソッドが

「SQ3R」という。

心理学者のフランシス・ロビンソンが1940年代に開発したもので

1. Survry(概観)
2. Quesition(質問)
3. Read(読解)
4. Recite(復唱)
5. Review(復習)

の頭文字をとってSQ3Rという。あまり使わなかったが、

思い返せば、英語の本の構成、段落、文章の関係が

ロジックでつながっていて、そもそも読みやすかった。

そもそも「分かりやすく書いてある本」と「そうでない本」

または、「分かりやすく訳してある本」と「日本語訳が下手な本」

では私たちの努力を超えて、無駄な時間が発生すると思う。

構成一つで、書き方一つで、まとめ方一つで、

読み手に知的負担をかけるのだ。


どれだけフォトリーが使えても、本自体に帰属する要素が

読解を妨げる場合だってありうると思う。



余談だが、

薄い本なのに、簡潔に要点がまとまっており、かつ

実践的で、この本は素晴らしい。

シカゴ大学の1年生に向けて作成されたものの邦訳である。

A.W.コーンハウザー『大学で勉強する方法』(玉川大学出版部, 1995)

M. チクセントミハイ『フロー体験 喜びの現象学』(世界思想社, 1996)

M. チクセントミハイ『フロー体験 喜びの現象学』(世界思想社, 1996)

★★★★★

フォトリーディングしたわけではないが、興味深かった、

多くを学んだ、昔読んだ本をいくつか載せておきたい。

研究の一般向けに要約されたもの。

本書を掴む一行は、

「退屈で無意味な生活を楽しみに満ちた生活に変えるためのいくつかの一般的な原理を、その原理を適用してきた人々の具体例を添えて示している」

彼が本書で展開する理論が、アカデミックの世界でどう評価され、

現在の研究でさらに発展しているのか知らないが、

この本が、小難しい論評や学説の整理ではなく、

個人的にとても実践的で、日常生活で使えたたので

高評価です。おすすめします。

立体画像

講座中、机の上にあった、みんなが夢中になって

見つめた、平面なのに立体画像が浮かび上がる不思議な絵があった。

幸運にも、見ればすぐに立体になり、難しくなかったのだが、

うーん、何度見ても分からないと、お手上げの人もいた。

目の使い方の解説:http://www2c.airnet.ne.jp/kawa/photo/rensyuu.htm

あの目の使い方が、フォトリーディングする最中のフォトフォーカスに

とても役立つのだろう、ということは薄々感じている。


なぜなら、「フリップページ」がすぐ見えたし、かつ、文字もくっきりピントがあって、

浮かび上がってくるように見える。だからといって、文字を言語的に認識しているか、

といえば、絵のように見えている、とった状態になれたからだ。

なので、30日間の特訓の標的を、「フォトフォーカスの目の使い方」に設定したのだ。

無意識にデーターベースを作るとか、無意識のイメージを意識と結合して言語化する

などという理論的な難しいことはよく分からない。

ただ、目の使い方がポイントになるのだろう、と思う。

レクチャーで印象に残っているのは、開発者であるポール・シーリィ氏も

昔は、目を高速で動かす速読を練習していたとこのこと。

それ限界を感じたのか、ただイヤになったのか、目を早く動かさなくてもいい

より簡単な方法を開発した、ということなのだろう。

クッシュボール


フォトリーディング受講中、

机の上にはいつもたくさんのオモチャがあった。

特にいつも手に持っていたのは、

"クッシュボール"と呼ばれるゴムのボール。

これ、とっても、ホシイ。

一本のゴムを引っ張ったり、回転させたり、

受講者の誰よりも、いじり倒した自信がある。

クシュボールのススメ: http://www.1kooshball.com/tokuchou/index.html
ネットで買えるサイト: http://www.kooshball.net/index.html

外国で買えば$3、日本じゃ1300円~とお高いなぁ。

リラックスの分類

受講中の分からなかったことがある。

「理想的な心の状態」と「高速学習モード」って何が違うのか。

先生の応答は簡潔だった。

前者は、α波(アルファ波)

後者は、θ波(シータ波)

です。

ググってみた結果、脳波と人の状態については同じようなことが書いてある。

おそらく、基礎的な研究がとっくの昔に終了しているのだろう。

α波のとき人は、

リラックスかつ知覚は敏感で、集中している。

θ波のとき人は、

リラックスかつ、知覚もまどろんでいる。

前者は、常に準備のときに行う。

後者は、フォトリーディングの時に特別に行う。

内的な感覚がどう違うのか、実感はないが、

これも継続すればよく分かってくるのだろう。

4冊目 トニー・ブザン『マインドマップ』(ダイヤモンド社, 2005)

4冊目★★★★★

トニー・ブザン『マインドマップ』(ダイヤモンド社, 2005)

フォトリーディング受講中にフォトリーディングした一冊。

数分読んで、2分プレゼンをした。

特に印象的だったのが、

天才達のノートはきたない。

マインドマップもきたない。

天才達が天才たる所以は脳の使い方。

普通の人が凡人たる所以もまた脳の使い方。

彼らの脳の使い方を真似すれば、誰だって近づける。

現代の脳科学の成果をまとめてみると、マインドマップが

最も能力を発揮する思考方法である、というような話だった。

一言で言えば、「知的革命」を標榜しているのだ。

体感として

フォトリーディング受講中の2日間の不思議な出来事。

とにかく、

意味も分からず、

体が痒かった。

というよりは、

今までに使ったことのない脳を使って、

神経系の電気信号か何かで、

全身の毛穴がパッと開いて

ムズムズするという感じ。

集中して、フォトリーディングを始めて

一息入れるとよく感じる。

ただ、それだけなんですけど、ね。

フォトリーディングで何ができるのか

講座中、質疑応答が一番盛り上がったのが、

フォトリーディングを使って速読の他に何ができるのか?

という疑問だった。

レクチャー曰く、

レシピをフォトリーして、新しい料理が作れる。

楽譜をフォトリーして、新しい作曲できる。

絵画をフォトリーして、新しいタッチの絵を描ける。

辞書をフォトリーして、英語が話せる聴ける。

ゴルフの本をフォトリーして、スコアアップ。

有価証券報告書をフォトリーして、おかしい数字にすぐ気がつける。 etc,.

なんだってできるのさ。

おそらく、マインドマップなど他の方法と組み合わせて相乗効果的に

なにか新しいものが創造できるというのは、わからなくもない。

ただし、

率直に言って、一般論として「なんでもできる」という

万能感的な態度には懐疑的だし、

こと、あの質疑応答に対しても、

フォトリーディングにもうさん臭いところもありますね、

と同じ机のメンバーと共有していたので、

おそらく他にもそう考えている人がいるはずだ。


そこで、

まず、

「できる」のであれば、事実または実証的な研究を明示してほしい。

「やればできるはずだ」という希望的観測とは違う。

それから、

どこまでが「できること」で何が「できないこと」か

両者を説明した方が、説得力が増す。

しかし、

いずれにせよ、フォトリーシステムの核心は

意識を介さず、視覚から脳へ、文字を絵のように

アーカイブにしてしまう。その後、無意識のデータを

意識と結合させること。

それは、

脳の可能性はまだまだ分からない、そういう可能性に

賭けてみようじゃないかという態度に思える。

僕はそういう態度が好きだ。

だから、とりあえずできると信じて、

楽観的になんでも試してみようじゃないか、

そういう態度がなければ続かないだろう。



このブログのタイトルも、あーだこーだ言わずに、

まず30日は続けてみよう、という気持ち込めてみました。

講座参加者

2日間の集中講座で参加者は、合計31人。

一つのテーブルに4人、お昼を食べた後席替えがあり、

いろんな人と知り合いになれる。

ペアワークもするので、さらにお互いをよく知れる。

時に、絵を描いて贈ったりもした。

僕が話した、受講者の方は、素晴らしい人ばかりだった。

会社経営、本を執筆中、スポーツ選手…。

印象的だったのは、

二日目のお昼を食べているときに、伺ったある女性の話に、感動した。

彼女はアスリートで、外国で活躍されていたそうだ。

その挑戦の日々、困難に直面して、乗り越えていく話は、

感動的で、本当にみんなで共有したかった。

↓ たくさんのアスリートの取材で構成されているこの本に

彼女も紹介されているのだそうだ。是非読んでみたい。

フォトリーディングとは

フォトリーディングとは何か、もう一度整理しておきたい。

ただの速読ではなく、「フォトリーディング・ホール・マインド・システム」

の中にフォトリーディングが含まれているに過ぎない。

以下、
ポール・シーリィ『あなたもいままでの10倍速く本が読める』(フォレスト出版, 2008)より引用。

  1. 「準備」
    目的の明確化
    みかん集中法(理想的な心の状態)
  2. 「プレビュー」(予習)
    全体から部分へ
  3. 「フォトリーディング」
    高速学習モード
    アファメーション
    フォトフォーカス
  4. 「熟成」
    10分~一晩待つ
  5. 「アクティベーション」(活性化・復習)
    スーパーリーディング
    ディッピング(拾い読み)
    スキタリング(摘み読み)
    トリガーワード
    質問
  6. 「高速リーディング」

フォトリーディングに出会ったのは、友達の家で見た

勝間和代『効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法』(ダイヤモンド社, 2007)





に載っていたことがキッカケだった。

「自分をGoogle化する」という表現になにか興味をそそられ、あっという間に読んで

気が付いたら、フォトリーディング講座に申し込んでいたというわけで。

集中講座の申し込みは: http://www.lskk.jp/kouza/1/

現状、一ヶ月待ちの大人気のようだ。

3冊目 P.F. ドラッカー『すでに起こった未来―変化を読む眼』(ダイヤモンド社, 1995)

三冊目 ★★★★☆

P.F. ドラッカー『すでに起こった未来―変化を読む眼』(ダイヤモンド社, 1995)

この本は、原書のタイトルは「The Ecologica Vision: Reflections on the Amecian Condition」。

講座中、およそ20分ぐらいをかけて、「活性化」、「スーパーリーディング」

「スキタリング」「ディッピング」をした本。最後に二分でプレゼンをした。

この本は、1946年~1992年にわたって書かれた論文集だ。

あえてこの本を選んだのは、フォトリーディングは論文集にどう使えるのか

を知りたかったから。

当初、つながりのない論文ばかりに思えて、悪戦苦闘したが、

結果、著者ドラッカーの半世紀にわたる、"社会と個を見る視点"

"社会生態学者としての視点"というのが

おぼろげながら掴めたような気がする。

というわけで、著者の問題関心や傾向を掴むのには、論文集を

フォトリーディングするというのも、効果的かもしれない。


余談:

タイトルは和訳より、原書のタイトルを見たほうが

本の内容がつかみやすい場合が多い。

2冊目 ポール・R. シーリィ『「潜在能力」であらゆる問題が解決できる』(フォレスト出版, 2003)

2冊目 ★★★☆☆

ポール・R. シーリィ『「潜在能力」であらゆる問題が解決できる』(フォレスト出版, 2003)

講座中にフォトリーディングした一冊。

そして、逆さにして後ろからフォトリーディングした

初めての一冊。

意識や常識ではまったく理解不能なことを真剣にやっている

自分がときにチャレンジャーに思えてくる。

同時に、他人には奇異に見えるに違いない。

正直、僕だっていまは効果が実感できるが、

確信できないので、半信半疑なんだ。

リラックスすること

思い返すと、講座中は様々な音楽が使われていた。

一番印象的なのは、「海の波の音」

オーストラリアに交換留学中、勉強に疲れて、リフレッシュしに

毎週、海に行って遠くを眺めていたことを思い出す。

僕にとって「高速学習モード」での最後の光景は

決まって、シドニー、マンリービーチ:http://jp.sydney.com/Manly_Beach_p1759.aspx

青い空、青い海、白い砂浜。

遠くの海にサーファー。カラッとした空気に、心地よい風

が思い出される。


2008年4月24日木曜日

1冊目 ポール・シーリィ『あなたもいままでの10倍速く本が読める』(フォレスト出版, 2008)

1冊目、★★★★★

ポール・シーリィ『あなたもいままでの10倍速く本が読める』(フォレスト出版, 2008)

フォトリーダーの間では、「10倍本」と親しまれいるこの本。

基本テキストという性格で、読みやすく、まとまっているので、

フォトリーディングの方法が分からなくなったときにはすぐ手を伸ばす。

2008年4月23日水曜日

はじめに

2008年、春、東京。

フォトリーディングの講座を終えて・・・。

日々の変化と成長を書き留めておきたい。

また、それをみんなと共有したい。

何事も継続しなければ意味がない。

今日、誓約したことがある。

「これから30日でフォトフォーカスを習得・訓練する」

そのために、

「30日で家の本棚にある未読の本、およそ100冊をフォトリーする。

一日三冊、20分ずつで計一時間。」

それを達成するために、

「フォトリーディングした本はブログにUPします。」

これで達成したのか、どうかも、一目瞭然、周知の事実。

講座に参加したみなさんへ

一緒に、続けて、がんばりましょう。

先生へ、

二日間のレクチャーお疲れ様でした。