脳科学者と経営コンサルタントの書いた日本書である
本書は、「怒りの書」の類に入る。
あっという間に読み終えた後に、少量の感想文でも備忘録程度に
書いておこうかと思ったが、新書の薄さにして、
ドシドシと一節づつに考えさせられ、軽薄な文書を書く気が失せる。
確かに、「じつは僕も自分の財産がどれくらいあるのか知りません」「お金の軸と離れていても、幸せとか豊かさを、十分手に入れられるとの確信を持って生きています」(p.110)
このよう、一般的な常識からかけ離れた、
抜けたエリート的会話が続く箇所がところどころあるが、
特に印象的だったのは、
「本当は日本を愛したい、でも愛せないのはなぜか」(p.92)
二人の本質が現れていたのは、
「倫理観で生きる、理想主義で生きるなどと言うと、したり顔をした連中から青臭い、討ち死にするだけとの反応が返ってきそうですが、僕はそれで生きていきたいと本気で願っているし、実際に生きていける事実を見せたいと思っている。」(p.113波頭)
「僕が今追い求めている価値は、…「圧倒的な知的卓越」なのです。だから、僕は二四時間ほとんど、自分の知的好奇心だけを追って生きています。」(p.114茂木)
いずれにせよ、簡潔に感想を書くならば、
自分の勉強不足と教養のなさを痛感するばかりだ。
さあ、本を貪るように読もうではないか。
波頭亮, 茂木健一郎『日本人の精神と資本主義の倫理』(幻冬舎, 2007)
余談だが、
右の『プロフェッショナル原論』は、経営コンサルの使命感を
感じさせ、プロフェッショナリズムを考えさせる、一冊である。
参照:株式会社エクシード http://www.xeed.org/
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