2011年5月19日木曜日

西部邁ゼミナール 2010年2月20日放送



TV局とは、視聴率の最大化を目標とした事業体だ。
視聴率とは、視聴者の数が最大化すること、または、視聴者数の割合を最大化することだ。
分単位に変化を分析し、反応を見る。チャンネルを変えるとは、無意識であり気分であり、
興味と関心の有無と、その時の求めるものの気分に左右される。人間の本能的な、生理学的、
心理学的な反応に対する、コンテンツを常に提供し続けることをTVの局は宿命付けられている。
ある意味で心理学者的な作業がコンテンツ選定段階で行われている。

本来のマスメディアの役割、TVの役割とはなんだろうか。
国民の知る権利を代行し、ジャーナリズムの具体として、国民のために
政府・権力を監視するものではないのか。

2つのゴールが不協和し、事業活動の継続に必要な利潤の最大化を優先したとき、
TV局は、ジャーナリズムの役割を放棄し、国民の知る権利代行機関としての役割がなくなったと
認識されるべきだろう。

娯楽を伝える、そのことは重要だ。しかし、第一義的ではない。

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